Mo,stの想い

Mo,stの始まりは、私の人生の転機でした。

運送業で大型トラックの運転手として働いていた私は、将来は父の会社を継ぐつもりでした。しかし、ある日の交通事故で右足を負傷し、1年以上のリハビリ生活を余儀なくされます。体の回復が見込めない中、それまで歩んできた道を断念せざるを得なくなりました。

次に何をするべきか分からずに、途方に暮れていた時、ふと思い出したのが、母親の温かい料理でした。

私にとっての、母の料理は特別な存在でした。長時間の過酷な労働で疲れ果てた日々の中で、唯一の楽しみが夜のご飯でした。母は私のために、早朝から夜のご飯の準備に時間をかけてくれていました。

仕事で疲れ果てた私を迎える温かい料理と笑顔。
その一皿一皿には、家族への深い愛情が込められていました。

その美味しさのルーツは、祖母の時代にまで遡ります。明治後期、祖母は社交界で洋風料理を振る舞う機会がありました。高級なワインを使い、三日三晩かけて作る本格的な洋風料理でしたが、幼い母親は「美味しくない」と一言。

悔しさを感じた祖母は、「子どもにも美味しく食べてもらいたい」という思いで、そのレシピを改良し続けました。そして完成したのが、家庭でも作れる、子どもが喜ぶ味。その味を母が受け継ぎ、家庭料理として愛されてきました。

人生の転機に思い出した母の味。その背景にある3世代にわたる物語。私は、この特別な味をより多くの方々にお届けしたいと強く思うようになりました。

忙しい毎日を送る人たちに、あの時の私と同じように、心から美味しいと思える瞬間を提供したい。手間を惜しまず、愛情を込めて作られた本物の味をお届けしたい。

そんな思いから、Mo,stは生まれました。